忙しく過ぎていく日々を過ごしていると、どうしても自分のことを蔑ろにしてしまいがちです。
さらに最近ではスマホを使えばいつでも誰とでもつながれるようになりました。
自分のことを大切にせず、蔑ろにし続けていると好きなことができないだけでなく、心身ともに病んでしまう恐れもあります。
人は一人では生きられない

古くから「人間は社会的動物である」と言われているように、人は一人では生きられません。
「人とつながる」の反対は「人との関係を避ける」でしょうか?
つながるにしても避けるにしても、人間関係のあり方を表す言葉なので、例えば「煩わしい人間関係を避けるために山奥で暮らす」もまた一つの人間関係のあり方です。
結局人間は他人との関係の中で生きるしかありません。
ならば自分自身を煩わしいことから解放するためにも人間関係をどう築くかを考える必要があります。
「自分を知ることの大切さ」は2500年前に既に言われていたこと

今から2500年前、中国で『孫子』と呼ばれる本が書かれました。
『孫子』の中でも特に有名な言葉に、
彼を知り己を知れば百戦殆(あやうからず。
というものがあります。
つまり「敵(相手)のことを知り、さらに自分のことを知っていれば何度戦っても勝てる」という意味です。
戦争で言えば敵と自国の兵力や財政状況、どのような人がどこにいるのか……などですが、戦争とは無縁の(?)現代社会を生きる私たちにも同じことが言えるのではないでしょうか?
他人との関係の中で生きざるをえない中で、勝つ、そして幸せになるには、『孫子』に書かれているように、まずは「自分と関係する人のことを知り、自分のことを知る」ことが大切になります。
そもそもスタート地点がわからなければ経路もわからない

初めていく場所への道順が分からないとき、スマホの地図アプリで経路を検索する人がほとんどかと思います。
「今自分がいる自宅ではなく、目的地の最寄駅からの経路が知りたい」
経路検索をする際、このようにスタート地点を設定して検索することもあるのではないでしょうか?
このように道順は目的地だけでなく、スタート地点もはっきりしている時にはっきりと分かるものです。
他人との関係にも同じことが言えます。
他人といい関係、あるいはトラブルのない関係を築くためには、まずは自分自身のことを知らなければなりません。
現代は自分を大切にしにくい

現代は自分を大切にしにくい環境だ……と私は思います。
これまでのように職場や家庭などで他人と付き合うだけでなく、スマホを使えば瞬時に誰とでもつながれてしまう。
自分では一人で過ごしているつもりでも、気がつけば画面越しに誰かと相対しているということは私に限らず多くの人が日々経験していることなのではないでしょうか?
もちろんそうした関係の中には決してネガティブなものばかりではなく、大切な人や尊敬している人もいるかと思います。
しかし大切な人だろうと尊敬している人だろうと、それはやっぱり自分自身ではなく「他人」です。
ネガティブな関係はブロックしてしまえばいいかも知れませんが、「大切な人」と思っている相手ほど気がつかないうちに膨大な自分の時間を費やし、自分のことを蔑ろにしてしまう可能性はあります。
そしてもちろんそのような状態では、最終的にその「大切な人」は「邪魔な人」になります。
自分のことを大切にしてこそ自己実現できる

自分自身のことを蔑ろにし続けた結果「大切な人」が「邪魔な人」になるほど馬鹿馬鹿しいことはありません。
誰とでも簡単につながり、自分の価値観に合っている人と出会える今だからこそ、自分自身のことを知り、大切にする必要があります。
目的地だけでなくスタート地点が分かってこそ経路が分かるように、自分自身のことが分かっていないと全ての他人と適切に付き合う方法もこともできません。
自分のことを知ることは大切な人と長く付き合う上でも重要なだけでなく、嫌いな人・避けたい人と関わらずに生きる上でも役立ちます。
「自分のことを理解してくれる、価値観の合う人とだけ付き合いたい」
そう思うのであれば、まずは「己を知り」自分自身の「価値観」を理解しましょう。
まとめ
今回は「彼を・・・・・・・・・」を引用しましたが、『孫子』には他にもさまざまな知恵が書かれています。
関連書籍も数多く出版されているので、気になるものから気軽に読んでみましょう。