古典には長い歴史を超えて語り継がれるほど価値のある知識や知恵が書かれています。

現代を生きる自分が抱えている悩みを解決するヒントを、何百年も前に書かれた本の中に見つけることは珍しいことではありません。

……ということは私が言わなくても誰もが感じていることではないでしょうか。

この記事では生きる知恵を学ぶためのものとしてではなく、流行と上手に付き合う上での古典の重要性についてお話しします。

思想や価値観にもトレンドがある

ファッションやメイクだけでなく、思想や価値観といったものにも「トレンド」「流行」はあります。

ですから「その時代ならではの流行の価値観」というものは確かに存在し、私も含め全ての人が気づかないうちに「時代の価値観」に影響を受けながらその時代を生きています。

「さっきのテレビと今見たコンテンツの内容と、この前たまたま会った人と話したこと、全く違うものであるはずなのに言ってることは同じ」

なんとなくそう感じたことはありませんか?

そして、

「自分が大きくうなずきたくなった話を人気タレントが言ってるのをテレビで見た」

という経験も実はほとんどの人がしていることで、そうした経験は常に誰かとのつながりの中で生きている人としてあって当たり前のものです。

流行に乗ることが必ずしも悪いことではありません。

意識的に流行を追いかけることはとても価値があることでもあります。

しかし無意識のうちに流行に流されるのは自分を見失う恐れがあるため危険です。

「流行に背け」とはもちろん言いませんが、時代の流行を正しく捉えるためにも一歩離れて俯瞰する必要はあります。

書店で買った本の隣の本を読んでも知識は広がらない

流行には必ず「お金」が絡んでいます。

企業が収益を上げるために流行を意識した商品・サービスを流通させているということは誰もが感じていることではないでしょうか?

書店や出版社にも同じことが言えます。

もちろんいい書店や出版社は「読者に上質な知識・思想と情報を提供し続ける」という信念のもとで経営活動をしています。

しかし収益を得ることも重要なこと。

嘘や間違った知識を流布させようという意思はなくとも、収益を得るために流行を意識した商品・書籍を流通させることは当然行われています。

そのため書店のある棚で1冊本を買い、後日同じ棚で隣にあった本を1冊買うと「似たような内容だった」ということが起こる確率は実は非常に高いです。

さらに書店では「注目作」「人気作」などは目立つように配置されています。

どんなに「流行に流されない!」と決意していても、書店はそれを貫くのが難しい環境です。

そしてその「注目作」「人気作」の隣にはやはり似たような内容の本が並んでいます。

こうして気がつかないうちに似たような本ばかりを読んでしまうため、今流通している書籍で知識・知恵を得ようとすると膨大な量の本を読まなければならなくなります。

Amazonのおすすめなんかもっと無駄

ちなみにAmazonなどで自分の購入履歴を参考におすすめされた本を次々に読んでも知見が広がることはありません。

Amazonのおすすめだけで幅広い知識を身につけようとするのであれば、書店で本を買うよりももっともっとたくさんの本を読む必要があります。

古典が読めることはトレンドに「無意識に」流されない生き方につながる

繰り返しますが、自分の意思でトレンドを取り入れ、流行に乗ること自体は間違っていないと私も思っています。

問題なのは「無意識に」流行に流されること。

特に思想や価値観といったものは、ファッションなどよりも流行の流れが強く激しいため、気がつかないうちに流れに呑まれてしまうものでもあります。

流れに呑まれてしまうと例え口では「自分らしく」と言っていたとしても自分らしさを見失ってしまうのです。

「人気作」でも「流行作」でもない「古典」を読むことは、必然的に時代の価値観から一歩離れ、時代の流行の価値観を俯瞰することになります。

古典に触れ、一歩離れたところから流行を眺めることで、どのように流行を取り入れ、どのように流行を避けるかを判断できるようになるでしょう。

だからこそ「古典が読める」ということは無意識に流行に流されるのを防ぎ、本当の意味で自分らしく生きる上で非常に重要になってくるのです。

まとめ

流行に乗ることが間違っているわけでもなければ、流行に背くことが間違っているわけでもありません。

大切なのは自分の意志で時代の流行を捉えること。

そのためにも時代の流行に背くのではなく俯瞰する必要があります。

今生まれ、今流通している本を読むだけでは常に流行の中にいるのと同じで、それを読み続けている限り俯瞰するのは非常に難しいです。

だからこそ、「古典が『読める』」のは「自分らしく生きる」ために重要になってきます。

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