読書をしていると、

「表紙を見てたまたま手に取っただけの本なのに、今の自分のために書かれた本なんじゃないか」

と衝撃を受ける瞬間が時々あります。

そして私はその衝撃はあながち間違ったものではなく、その本は本当に今の自分とこれから先の自分を占っているのだと思っています。

「たまたま手に取った本が人生を変えた」というエピソード

芸能人や成功者、歴史上の偉人たちのエピソードには、

「たまたま手に取った本が彼のその後の人生を変えた」

というものが非常に多いです。

意識的に本を読んだり、テレビや新聞、雑誌を見ることによって情報を取ろうとする人はいます。

逆にSNSを見る時間を制限するなどして意識的に見る情報を制限する人もいます。

しかしどんなに取り入れる情報に対して意識的になったとしても私たちは日々、無意識のうちにもっと膨大な情報・知恵に晒されています。

そうした無意識のうちに取り入れる情報・知恵によって人生ができあがっていると言っても過言ではありません。

「人生を変える一冊」の登場は、無意識のうちに触れた情報・知恵の積み重ねの結果です。

そのためこうした著名人たちのエピソードは決してその人のみに与えられた奇跡ではなく、それまでのその人の人生があったからこそ生まれたものということになります。

潜在意識・引き寄せの法則

過去に潜在意識や引き寄せの法則関連の本を読み漁っていたことはあります。

だからといって私は今も所詮その手の本の一消費者でしかなくその道の専門家ではありません。

しかし私は門外漢ではありますが、「一冊の本に人生を変えられた」というエピソードは潜在意識や引き寄せの法則に通ずるところがあるとは思います。

目の前にあるあらゆる現実は自分の潜在意識が表れた結果。

であるならば「たまたま手に取った本及びその内容」ももちろん自分の潜在意識の表れでもあるのではないでしょうか。

その本はたまたま手に取ったのか、それとも導かれたのか

所詮一消費者でしかなく、その道の専門家ではない私の勝手な考えですが、自分では、

たまたま手に取った本。

としか思っていない本だったとしても、実は、

自分の潜在意識がその本に導いた結果、自分はその本と巡り合った。

のかもしれません。

ですからその「たまたま手に取っただけの本」には自分の潜在意識が書かれているだけでなく、これから先に自分が引き寄せるであろうものも書かれているのだと思います。

受けた衝撃が大きければ大きいほど、内容を注視するべき。

自己啓発本や著名人の生き様だけでなく、小説などフィクションを読む時も私はそう意識しています。

《余談》今私が読んでるトルストイ『戦争と平和』

2022年3月から8月に至る今まで、私はトルストイの『戦争と平和』という小説を空いた時間を見つけてはこつこつ読み進めています。

最近ようやく1/3まで読み進めました。

さまざまなキャラクターの人物が登場する中で、私は特にアンドレイ・ボルコンスキー公爵という人物にいつのまにか自分を重ねるようになりました。

退屈な社交界にうんざりし、戦争に行き、傷つき、帰還した直後に妻が死に、静かな諦念の中で生きることを望んでいた彼が、物語の1/3まで進んだ今、急に社会に復帰し、さらに再婚を決意する。

彼は別の時代を生きる架空の人物ではありますが、今より若い頃血気にまかせてさまざまなことに挑戦してきたものの妊娠・出産を機にこれまでの人生を見直していた私にとって彼は他人とは思えない人間でした。

「その彼がこれから物語の中で迎える結末は、私のこれからの運命を占っているようにしか思えない」

そう考えている自分がいます。

最初は誰が主人公なのかすらも分かっていませんでしたが、今は作者・トルストイの

「結局トルストイはこの物語を通して自分の中にある成功者のイメージ(アンドレイ)を正当化したかっただけやんか!」

「トルストイが言いたいことは『こういう馬鹿なやつっておるよね。(自分つまりアンドレイは違うけど)』でしかないやんか!」

という意図も感じています。

そのためこうして影響を受けてしまうのはトルストイの術中にはまってしまったということでもあり、私も私で、

「こういう馬鹿なやつっておるよね。(私は違うけど)」

と思っているということでもあり、その自分の思想に対して後ろめたさも感じているため、素直にアンドレイのことを「好き」と言えず、そんな素直になれない自分も恐ろしく、今は怖いような祈るような気持ちで物語を読み進めています。

しかもトルストイが作中で、

「こういう自己批判に立ち向かう勇気ある人間(オレつまりロシア人)って素晴らしい」

とはっきり言ってるところがまた私をもやもやさせる。

まとめ

最後の方はいろいろと脱線しましたが、たまたま手に取った本及びその内容は自分の潜在意識そのものなのではないか……と私はよく思います。

占い感覚で楽しんでみるとまた違った本の楽しみ方ができるかもしれません。

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