今年の3月から読み始めたトルストイの『戦争と平和』。

9月にようやく中間地点を通過しました。

アキストゼネコ

「アキストゼネコ」という恋占いをご存じですか?

Wikipediaで検索すると、

「昭和時代に日本で流行した恋占い」

と出てくる上に「光GENJI」やら「ビデオ」など時代を感じるキーワードが並んでいるため、「知らない」という人も多いかもしれません。

好きな人と自分の名前をひらがなで書き、それを規則性に従って数字に置き換えて計算した結果でその人との相性を占える……というもの。

平成2年生まれの私はクラスメイトたちとアキストゼネコだけでなくさまざまなこの手の占いに興じたものでした。

たかが言葉遊び、たかが数字。別に本物の占い師に占われているわけでもない。

たったそれだけのことに一喜一憂できて、それが楽しめるのは子供だったから。

……ではあながちないようで、今も私はなんだかんだで占いを頼ることがあります。

占いはいいことは信じず、悪いことは信じない

当たるも八卦、当たらぬも八卦。

昔から言われているように、占いは当たるかどうかが本当のところは分からないもの。

「占いは好きだけど、基本的には『いいことは信じて悪いことは信じない』ってスタンス」

と言う賢い人がほとんどの中、私は、

「いいこと言われたら『所詮は占いだし』と捉え、悪いことを言われたら『それが本当になるんだ』と思っちゃう」

タイプです。

本来ならば私はお金や時間を使って占いをするべき人間ではありません。

……でも、ついつい頼っちゃうんだよな……。

「無料 占い」と検索して自分が納得するまで占いをしてしまうことが、今でもあります。

フリーメイソンのヨハネ黙示録の予言

トルストイの『戦争と平和』でこんな描写がありました。

登場人物の一人であるピエールはフリーメイソンの会員。

彼はある日フリーメイソンの同志(仲間)から今ロシア全土を脅かしているナポレオンについての予言を聞かされる。

ナポレオンという名前を構成しているアルファベットを数字に置き換え、それを全て足すと「ヨハネ黙示録」で書かれている666になる。
だからナポレオンの滅亡の日は近い。

「なるほど」と思ったピエールは他にもさまざまなものの名前を数字に置き換え、自分の名前もなんとかこじつければ666になることを見つけ出し、自分の使命を知る。

……とのこと。

まだ結末まで読んでいないため、ピエールがその後どうなるのかは知らないのですが、とりあえずピエールは自分の名前も(無理矢理こじつければ)ナポレオンと同等の力を持っていることに気づくわけです。

「ただのアキストゼネコやん!」

この描写を見た私は咄嗟に、

「これ、アキストゼネコやん!」

とツッコミを入れてしまいました。

「フリーメイソンのヨハネ黙示録による予言」と言われると「なんだかすごそう」と思ってしまいがちですが、やっていることは根本的にアキストゼネコと同じ。

規則に合わせて名前を数字に置き換え、それを規則に沿って合計した結果の数字を解釈するというもの。

数字に置き換えられる文字がひらがなかアルファベットかの違いでしかない。

そのことに気づきながらもピエールのことを「馬鹿だな」と腹の底から笑えないのは、その程度の占いにそこまでのめりこむ気持ちがこの歳になっても分かるからです。

いくつになっても真剣にアキストゼネコ

ナポレオン戦争時代のロシアのアラサー貴族の中にはただのアキストゼネコを真剣にやっていた人間がいた。

確かにピエールは架空の人物かもしれませんが、実際にそういうことをする人が実際にいるからピエールという人物が生み出された面もあります。

むしろそういうことをする人が実際にいなければ、ピエールに限らずあらゆる「小説の中の架空の人物」は生まれません。

現に今、アラサーの私もネット上の無料占いを無限にやってしまうことがある。

いつの時代も、いくつになっても、その手の占いは需要が絶えないものなのかもしれません。

そして今も都市伝説で語られる「フリーメイソンのヨハネ黙示録の予言」的なものもだいたいはアキストゼネコ的なものでしかないのかもしれません。

まとめ

先日夫と都市伝説系のテレビを見ていた時のこと。

都市伝説系の番組でよく使われている音楽が、アメリカの名作オカルトホラードラマ『X-ファイル』のものだったことを知りました。

子供の頃、父の隣でそのドラマを観ていたので蘇ったあの恐怖と「そうだったのか!」という感動でしばらく震えていました。

また動画配信サービスとかで見つけたら見ようかな……。

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