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Lingの目的2:地方格差をなくす

人間は皆平等に扱われるべきだと思う。でも、残酷なことを言うようだが生まれ持ったものは人それぞれ大きく異なるものでもある。『山月記』の中島敦が言うように、人は天から与えられたものを黙って受け取り、それをどう生かすかを考えるしかないのだとつくづく感じる。

そして「生まれ落ちる場所」も天から与えられるものの1つだ。生まれた家の豊かさが人生に影響を及ぼすことは広く言われていることだが、どこに生まれたかも重要であると言うことを私はこれまでの人生で身をもって経験してきた。

だから私は地方格差を埋めるためにそれを視野に入れたモデル活動をすることにしたのだ。

「東京に行かなくても夢は叶えられる」

これから私はそれを証明していくためにLingを運営していく。

進学に際して担任の教師に言われたこと

公立中学に通っていた私は、中学三年生になったら当然のように高校進学のための準備を始めた。

私の通っていた中学校では定期テストでの順位がトップクラスの生徒は地元から30分以内で通えるK高校に行くのが一般的だった。しかし地区内で最も優秀とされていたのはK高校ではなくO高校。O高校には地元から通おうとすると1時間以上かかってしまう。

そして私の通っていた中学校ではこんな噂がまことしやかにささやかれていた。

「O高校には学年1位しか合格できない」

当時の私のテストの成績はせいぜいトップ10位に入る程度。在学中に1位を取ることはついにできなかった。だから私は周囲の友人からも担任からも「成績はいいけどO高校は無理」という見方をされていた。

しかしよく考えてみるとこの噂にはおかしなところがある。愛知県の高校入試で使われる中学での成績は内申点であって学年順位ではない。そして建前上義務教育での内申点45は全国どこの公立中学でも同じ価値を持つことになっている。

だからO高校に合格するためには学年1位を取ることではなく必要な内申点を在学中にとっておくことであるはず。

そこに気づいた私は学年1位をとったことがないにもかかわらず第一志望校をO高校にした。そして無事に合格を果たした私は晴れてO高校に入学する。

O高校に入学して驚いたのは、O高校には市内の中学のトップクラスが集まっているというだけであり、別に彼らが全員常に学年1位だったというわけではなかったということ。私の仮説は正しく、テストで1位にならなくとも十分な内申点と当日の試験での点数さえあればO高校は合格できたのだ。

にもかかわらず当時O高校とK高校では卒業後の進路に差があった。東大・京大に入学する生徒数はO高校の方が圧倒的だったし、決して自慢できることではないがO高校には浪人の文化もある。K高校に行くかO高校に行くかでその後の人生が変わることもあるということだ。

中学校での進路面談の際、担任がこう言ったのを覚えている。

「通学に1時間もかけてO高校に行く意味はあるのかな?」

あの時の担任からは少しも悪意を感じなかった。

だから私はここに「地方格差」を感じてしまう。

私の地元で「O高校に行くのは学年1位だけ」という噂が流れていたのは別に地元の中学校の学力が低いからではなく、単に「O高校までは1時間かかる」という物理的な距離が原因だったのだ。
ただ、遠い。それだけで生徒も担任も受験に際して本質的ではない余計なイメージをO高校に抱き、敬遠する。

距離が遠いというだけで本来能力があった人間がチャンスを逃す現実が、私の地元にはあった。

4度のコンテスト経験

私は2014年から2020年の間にミスコンを含むビューティーコンテストに計4回出場している。二次審査などで落選したものも含めると計7回だ。

地方大会の場合は近場で済ませることができたが日本大会ともなると大会が開催される東京に愛知からわざわざ行かなければならなくなる。

ビューティーコンテストでは大会当日だけでなく事前に開催されるセミナーなどでの様子も審査対象だ。そうなると愛知県在住の私は大会に出場するにあたって必然的に何度も東京に通わなければならなくなる。

大会のためにはドレスや靴などを購入しなければならない。勝つためにレッスンを受ける人もいる。100%そうとも言い切れない側面はあるが経済的に余裕がある人ほど有利な側面はある。

他にもモデルの仕事をする上でも何度も東京には通った。仕事で東京に行く場合は交通費が出るが、オーディションの場合交通費は自腹だ。しかしオーディションを受けない限りモデルの仕事をすることもできない。

成功するチャンスを掴むため貯金を切り崩しながら交通費を捻出していた私は、関東に住んでいる人を何度もうらやましく思った。

なぜ財布の状態を常に気にしながらも、それでも東京に通うのか。

そこにチャンスがあるからだ。

地方に住んでいる人間は東京に行く交通費が用意できなければ、例えどんなに能力があってもチャンスを掴めないということは残念ながらある。

先に生まれた人間の義務

残酷な思想の持ち主だと思われるかもしれないが、私は人間は生まれ持ったものに文句を言うことなくそれをどう活かすかを考えることでしか才能を開花させることはできないのだと思っている。
そして「生まれ持ったもの」には「どこに生まれるか」も含まれる。日本はなんだかんだいって豊かな国だが、やはり日本のどこに生まれるかで人生は変わってしまう。

地方に生まれたがために能力があってもチャンスを掴むために苦労せざるをえない人は必ずいる。にもかかわらず相変わらず世界中から人・情報が集まる東京には地方ではえられないチャンスがごろごろ転がっている。

基本的に私は「生まれ持ったものを受け入れて生きるべし」という思想だが、一方で「先に生まれた人間には後に生まれた人間の幸せを作る義務がある」とも思っている。

自分が経験した地方格差が起因する苦しみを次に生まれる世代に残すべきではない。

だから私は「地方にいても夢は叶えられる」ということを、このLingで証明していくことにした。

Lingがこれから夢を叶えようとする人の道標になれれば幸いだ。

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