働き方改革や新型コロナウィルスの影響を受け、リモートワークを導入する企業が増えています。しかし導入したもののオンラインの限界を感じている人は少なくありません。オンラインとリアルのバランスをとることがリモートワークを導入する上で重要になってきます。

この記事ではリモートワークの導入率に触れながら、オンラインでの人とのつながりの限界とそれに対する対処法について解説します。

リモートワークの導入率

新型コロナウィルスの感染拡大を受けてリモートワーク・テレワークを実施する企業が増えました。パソコンとインターネット環境など必要な設備があれば仕事ができるリモートワークには様々なメリットがあります。

カオナビHRテクノロジー総研調査レポートは2020年8月時点で以下のような調査結果を発表しています。

「Q:現在の就業場所への出社状況について教えてください」
引用:カオナビHRテクノロジー総研調査レポート 緊急事態解除後のリモートワークはどうなった?~リモートワーク実態フォロー調査レポート1~

これによると現在毎日出社している人は73.6%であるのに対し、「毎日リモートワーク」「出社とリモートワークを併用」は合わせて23.2%であることが分かります。

カオナビHRテクノロジー総研調査レポートは5月にも同様の調査を行なってますが、その際の調査結果と比較すると「毎日リモートワーク」「出社とリモートワークの併用」は減少し、「毎日出社」は再び増加していました。

果たしてフルリモートは可能なのか?

こうした調査結果からは「果たしてフルリモートは可能なのか?」という疑問が浮上します。多くの人がリモートワークに何かしらの不便さ・不都合さを感じているから5月と8月でこのような変化が生まれたのではないでしょうか?

実際コロナ禍が始まる数年前からリモートワークをしている私の身の回りにもやりにくさを訴える人は少なからずいます。

「新しいアイディアが浮かばなくなった」といったものからは、やはり仕事の上でのアイディアとは人との関係の中でうまれるものなのだということを実感させられます。人間関係を面倒に感じることもあるものの、やはり直接人と会うことは重要なのです。

「ずっと家にいるのは辛い」と言う人もいます。ずっと家に引きこもっているとどうしても気持ちが鬱屈としてしまうものです。通勤は面倒ではあっても実は息抜きの効果があります。家族としか会話をしない、あるいは一日中誰とも会話をしないというのも人を孤独にさせる原因です。

リモートワークの普及と同時にオンライン飲み会も広く行われるようになりました。しかしランク王の調査によると「オンライン飲み会でも十分に楽しめる」と答えた人の割合は31.1%であり、それ以外の人は「つまらないと感じる(29.5%)」「どちらとも言えない(39.4%)」と答えました。

オンライン飲み会は便利ではありますが、決して満足なコミュニケーションが取れるというわけでもなさそうです。

オンライン飲み会についてどう感じていますか?
引用:ランク王 総勢1000人に大調査!コロナ禍におけるあなたの飲み会に対する意識は?

オンライン上だけの人間関係には限界がある

私自身、執筆の仕事はオンライン上で行うことがほとんどです。かれこれ数年間この仕事をしていますが、便利さを感じる面もあれば不便さに頭を悩ませたこともあります。

また、SNSを通じて発信することでも悩みは絶えません。どうしてもSNSでは伝えられる情報に限りがあるため、自分の思った通りに相手に伝わらないことは実際に会って行うコミュニケーションよりも圧倒的に多いです。

SNSには誰とでもつながれるというメリットは確かにありますが、伝わる情報量が限られているためそのつながりはどうしても弱くなってしまいます。

さらにSNSは毎日見ているうちに「人とつながっている」と錯覚してしまうこともあります。そこまで信頼関係を築いていない相手に対してやたらと親密に振る舞ってしまったという失敗がある人もいるのではないでしょうか?

それこそリアルの世界では高いコミュニケーション能力を持っている人でも変に錯覚してしまい、トラブルを起こすことはあります。

重要なのはオンラインとリアルとのバランスを取ること

リモートワークを実践するにあたって重要なのは「オンラインでは伝えられる・得られる情報にお互い限界がある」という前提の元、オンラインとリアルとのバランスを取ることです。バランスを取ることで快適に仕事をすることができるようになるでしょう。

週5日、平日に仕事をしている私は、5日のうち2・3日は外出するように意識しています。電車で約1.5時間移動して名古屋に出かけたり、近所のカフェで仕事をする。そうすることで孤独に陥ることなく快適に仕事ができます。

「5日のうち2・3日」というのはあくまでも私にとって最適な割合で、全ての人がこの割合に当てはまるわけではありません。人によっては「1週間に1回の出社がちょうどいい」かもしれないし、「1ヶ月に1回でいい」という人がいても当然です。

自分にとって最適な割合は試行錯誤しながら見つけるしかありません。試行錯誤するためには仕事に対する主体性も求められます。

そしてテレワークを導入する企業はそれぞれの従業員が、自分にとって最適な割合を見つけられるように仕組みを整える必要があります。

まとめ

リモートワークを導入する企業が増えている中で、そこに不便さを感じている人も現れました。どうしてもオンライン上でのコミュニケーションには限界があります。

重要なのはリモートワークを実践する人がオンラインとリアルのバランスを取れることと、導入企業がバランスを取ろうとする従業員をサポートすることです。

従ってリモートワーク導入には働く人それぞれの主体性が求められます。それも含めてリモートワークの普及は日本の働き方を変えるのではないでしょうか。

編集後記

本日の晩ご飯に夫が作ってくれたしいたけの炊き込みご飯。

私は執筆業の他にモデルの仕事もしていますが、精神上の健康維持の上でこの選択は間違っていなかったと思います。

もし執筆業だけをしていたら、私は孤独に押し潰されていました。

もしモデルだけをしていたら、ヘトヘトに疲れ果てていました。

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