
国内で「働き方」への考え方が変化しつつある。こうした中で従来は禁止されてきた副業への捉え方も変わってきた。
以前は就労規則などで副業を禁止してきた企業も、大企業を中心に解禁する傾向もある。実際に副業をする人も増加した。
なぜ今副業が注目を集めているのだろうか?多くの人が副業をする理由や、副業が普及した背景についてこの記事では解説する。
20代の7割が副業に興味がある
20代のための転職サイトであるRe就活が実施したアンケートによると、もし勤務先の企業で副業が認められていたら「副業したい」「どちらかといえば副業したい」と答えた人が7割にのぼった。

引用:株式会社学情 20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(副業について) 2020年8月版
副業をしたい・する理由のトップは「収入を増やしたい」であり、次いで「収入を得る手段を複数持っておきたい」「好きなことや興味のある仕事に挑戦してみたい」という理由があがった。

引用:株式会社学情 20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(副業について) 2020年8月版
働き方改革が進められる一方で、新型コロナウィルスの感染拡大の影響も受け、人々の仕事に対する考え方も変化しつつある。副業を解禁する企業も増え、今後副業人口も増加することが予想される。
副業が勧められる背景

従来は禁止されてきた副業が、今になって解禁されるようになってきたことには理由がある。前向きでポジティブな理由だけでなく、ネガティブな理由もないわけではない。
副業が注目を集めるようになった背景にはどのような理由があるのだろうか?以下ではその理由を一部紹介する。
ポジティブな背景
価値観の多様化が進む中で、働き方に関する考え方も多様化しつつある。「会社で働くだけが仕事ではない」という考え方を持つ人も増えてきた。
SNSなどのソーシャルメディアが発達したことによって、誰でも自分の価値観を発信できるようになったことも副業が注目を集めるようになった理由の一つだ。自分の価値観を発信することを通して収入を得る仕事のスタイルに憧れる人は非常に多い。
働き方に対する価値観の多様化に企業も合わせるために副業を解禁している側面もある。自社の都合で副業を禁止することは、価値観の多様化を阻みかねない。
また、企業側にも従業員が副業で培ったスキルを本業で活かしてもらいたいという思惑もある。従業員が副業をすることで、本業である会社業務にもプラスになる可能性があるのだ。
ネガティブな背景
少子高齢化が進む中で労働人口は毎年減り続けている。労働人口が減ることは国全体での生産量が減ることにもつながってくる。従って経済が不活性化してしまうのだ。
生産量を維持し、経済を活性化させるためには一人当たりの生産量を増やす工夫をしなければならない。そこで政府が副業を推奨するようになったのだ。
企業の給与が従業員の生活を保証できなくなったことも副業が注目されるようになった理由としてあげられる。今までは終身雇用が一般的だったが、それも崩壊しつつある。
会社に勤めても十分な給料が得られず、雇用が保証されていないとなると、一人ひとりが力をつけることが必要になってくる。個人のスキルを高め、収入源にもなる副業を推奨することは、従業員の人生を保証できなくなった企業にとって都合がいいものなのだ。
楽しく副業をするためのポイント
確かに副業が注目されるようになった背景にはポジティブな理由だけでなくネガティブな理由もある。しかしネガティブな背景にばかり注目した上で副業をするのはとても危険だ。
副業をする際には明確な目標を思い描くようにしよう。「〇〇円貯金する」でもいいし、「〇〇を買う・ローンを返済する」でも構わない。
「スキルを身につけてキャリアアップを目指す」「理想のライフスタイルを手に入れる」「自己実現を目指す」といった目標をより具体的に思い描くことはモチベーションの維持にもつながる。
副業をする理由はさまざまなものがある。それこそ上記で紹介した副業をする理由のトップに上げられている「収入を増やしたい」と答えた人にも千差万別の背景があるだろう。
今よりもワンランク上の生活を目指す人も、生活に迫られて副業をせざるをえないという人も、明確な目標を思い描いた上で副業をするようにしよう。そうすることで健康を維持し、楽しみながら副業をすることができる。
まとめ
副業が注目を集めるようになった理由にはさまざまなものがあると同時に、副業をする人の理由にもさまざまなものがある。闇雲に副業をしようとするのではなく、自分の目的を明確にした上で取り組むようにしよう。
目標を明確にした上であれば、副業で自分の望んだ生活を手に入れることもできる。