
「読書をした方がいいとは思っているのですが、どうにも読書をするのが苦手で」
という人をちらほら耳にする。読書に限らず「頭ではやった方がいいと分かっているけどできずにいること」というのは強いストレスにもなる。
そしてやはり読書は人生において必須ではないものの、人生を豊かにする高い効果が望める行為でもある。読書嫌いは克服して損はないことなのだ。
この記事では読書嫌いを克服するための方法を 5つを紹介する。
1.映画化された作品を読んでみる
最近では人気小説が映画化される例も増えている。人気俳優を起用し、編集を加えた映画はストーリーの全体を把握しやすい上に没入感も味わえる。
劇場版化した小説作品はストーリーの流れや最終的なオチを理解しているからこそ楽しめることも多い。実際に演じていた俳優がいるため、頭の中でビジュアルイメージも描きやすい。
余談だが、最近の小説は劇場版化を意識して書かれることが増えてきている。出版前の段階で「主人公を演じるならどんな俳優か」などがある程度想定されているのだ。そのため読書嫌いの人でも楽しみやすい。
2.漫画を読んでみる

賛否両論ある意見だとは思うが、筆者自身は漫画でも十分「読書」の部類に入ると思っている。小説だけでなく漫画でも、読者は作り話の世界で想像を自由に膨らませることができるからだ。
話題作や気になる漫画があったら気軽に手に取ってみよう。SNSやネット記事の広告になっている漫画も意外と面白い。
ちなみに筆者は先日『鬼滅の刃』の現在出ている巻は全て読んだ。
筆者は元々そこまで話題作に飛びつくタイプではない。ただアメリカに嫁ぐ友人がハマっていたため、彼女の出国前に際して「彼女と楽しく会話する材料にでもなれば」と思ってアニメを見始めたのがきっかけだった。
結果どハマりした。
3.電子書籍を使ってみる
スマホアプリで読める電子書籍はとても便利だ。本を何冊も持ち歩くことができ、気が向いた時にアプリを開いて読み進めることができる。
電子書籍であればSNSを見る感覚で読書ができるのだ。
作品の購入・決済手続き・ダウンロード全てがスマホだけで完結するため、本屋に行く手間も省ける。
無料で読めるコンテンツを用意している電子書籍サイト・アプリも少なくない。節約しながら読書をしたい人にも電子書籍はおすすめだ。
特に世界・日本の名作などが読みたい人は、「青空文庫」をチェックしてみよう。青空文庫に登録されている作品は全て無料で読める上に、歴史に残る名作ばかりだ。
4.「読み切らなければ」と思わない

読書嫌いな人の多くは「最後まで読み切らなければ」と強く思いすぎているところがある。強迫観念的にそう考えてしまうと、さらに読書が嫌いになってしまう。
本を読むときに変に「読み切らなければ」と思いすぎないことが読書嫌いを克服する上では重要だ。
どうしても自分に合わない作品は存在する。一つの作品を読み切れなかったとしても仕方のないことだ。
読み切れなかったら読み切れなかったで割り切るようにすると、読書を楽しめるようになる。
ただし、「自分に合わなかった作品=社会的に価値のない作品」ではないことだけは理解するようにしよう。そこを混同するとさまざまなトラブルに巻き込まれるリスクが高まる。
5.なぜ読書嫌いを克服したいのかを考える
これはあくまでも筆者自身の考え。
「読書嫌いを克服したいんですけど、どうしたらいいですか?」
作家という本を書く仕事をしているからか、そう尋ねられることが多い。
もしこの問いに対して筆者が、
「じゃあ私の本を読んでみてよ。読書嫌いの人でも気軽に読めるよ!」
と言っても、その人はきっと納得しない。
ならば、
「漫画とか映画化作品とか読んでみたら?」
と言っても、その人はきっと納得しない。この記事で漫画や映画化作品を読むことは勧めたものの、ここまで読んでみてイマイチピンと来ていない人は多いのではないだろうか?
もちろん中には上記の2つの提案に響く人もいるのだが、「読書嫌いを克服したい」と言ってくる人のほとんどがこの提案を受け付けない。
なぜか。
こうやって尋ねてくる人たちが本当に求めている答えはアドバイスではなく全く別なものなのだ。
「別に読書なんかしなくても生きていける」
本当は誰かにそう言って欲しくて、他人に「読書嫌いを克服する方法」を尋ねているのではないか……と思う。
現在読書嫌いを克服したいと思っている人の中には、別に本当に読書の必要性を感じているのではないのかもしれない。
「世間で広く言われているから」とか「なんとなくそうした方が良さそうだから」くらいの気持ちで「読書嫌いを克服したい」と言っているだけかもしれない。
そうなってくると仮に読書をしたところでその人の人生は変わらない。それどころかむしろ苦しいものになってしまう気がする。
ここまで書いておいてこういうのもアレだが、私自身読書なんかしなくても生きていけると思っている。
不思議なもので、克服することへの執着を手放すと逆に問題が解決する。
「読書なんかしなくても生きていける」と思えるようになることが、読書嫌いを克服する近道なのではないかと私は思う。
まとめ
読書は心を豊かにする行為だ。すぐに役立つことはないかもしれないが、読書を通して経験したことは人生のどこかで必ず役に立つ。
変に構えすぎず、気軽に読書を楽しもう。