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コラム:「成功の法則」の幻

2020年のコロナ禍の中で窮地に立たされた人もいるのだと思う。コロナに感染して死んでいく人より、コロナのせいで窮地に立たされた結果死んでいく人の方が、話を聞いていて胸が痛んでしまう。

一方コロナ禍によって「人生が底上げされた」という人もいる。かくいう筆者も運よくそちら側にいくことができた。

本当に筆者は運がよかったと、思わずにいられない。

「成功の法則」は理想論でしかない

巷には「成功の法則」そして、「願いを叶えるための法則」「引き寄せの法則」といった情報があふれている。筆者も過去にはそういった類の情報を集めていたこともある。だからそういった情報は決して嘘ではないし、むしろ本当のことなのだとも思う。

しかし今年、コロナ禍を迎えるにあたって、どうしても筆者は感じてしまった。

「『これをやれば成功する』なんてものはないんだ」

コロナ禍の中で飲食業や観光業などが苦境に立たされるのを見て、そう思わずにいられなかった。

中にはコロナ禍で苦しむことになってしまった人たちのことを、「日頃の備えが足りていなかった」「努力が足りていない」などと言う人もいる。

確かに筆者は2020年に人生が底上げされた方の人間だ。でも、ここに至るまでにどれほどの苦労があったことか!

どれほどの人たちが筆者を慰みものとして笑いながら消費していたことか!

そういう経験を経た上での「2020年は上がった一年だった」なのだ。

だから例えコロナによって人生が底上げされたからといって、コロナ禍で苦しむことになってしまった人たちを笑う気にはとてもなれない。

大好きなラーメン屋の店長が、自粛明けにインスタに投稿していた。

「久しぶりに食べるラーメンはしょっぱかったです」

この一文で、彼がどれほどラーメンを愛し、ラーメンに情熱を注ぎ、だからこそコロナ禍の中で辛い思いをしたのかが伝わってきた。その時のラーメンがしょっぱかったのは彼が味付けを間違えたのではないだろう。

つくづく「成功の法則」なんてものは嘘ではないものの、幻想でしかないのだと、彼の投稿を見て思った。

いつだって激動の時代

筆者は歴史小説を書いているが、歴史小説を書くにあたって歴史を読んでいると、決して現代だけが激動の時代というわけではないことが分かる。

例えば2000年前の中国の人物項羽(こうう)は子供の頃に始皇帝による中華統一を経験し、24歳で旗揚げをし、その混乱の中を息抜き、31歳で戦に負けて自殺している。

1990年生まれの筆者は、「1991年ソ連崩壊」という歴史的事実を見て驚きを隠せない。具体的にソ連崩壊がどのようなものなのかは未だに理解していないものの、「ソ連崩壊」という字面から伝わる歴史的大事件が、自分が生まれた後に起こったということが未だに信じられないのだ。

さらに2001年にはアメリカ同時多発テロがあり、2009年には政権交代があり、2011年には東日本大震災があった。他にも2045年にはAIが人類の知能を越えるという「シンギュラリティ」があるかもしれないと言われている。

結局どの時代も「激動の時代」でしかない。他の時代を羨んでも仕方がない。

ならば今の時代に生まれたという事実を正面から受け止め、生き延びることを考えるしかない。変に法則を見つけようと躍起になるのではなく、その時代にどう適応していくのかを工夫しながら生きるしかない。

世界中が大混乱したコロナ禍の中を1年過ごしてみると、改めて今の時代に生まれたことの意味を実感させられる。

まとめ:シンプルな成功の法則

「成功の法則なんてない。そんなものを信じてはいけない」

筆者はそう言いたいのではない。しかしそれを絶対的なものと思ってはいけないとも思う。

結局「成功の法則」など突き詰めたら、

「成功するまで続けた人が成功する」

でしかない。

希望を持ち続け、続けた人だけが成功する。

だから激動の時代の中で生き残るためには、希望を持ち続けることが一番重要なのではないだろうか。

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