
SNSなどのソーシャルメディアが発達したことによって、他人のライフスタイルを簡単に垣間見ることができるようになった。そうした中で同時に自分とは異なるライフスタイルを満喫する人を見て嫉妬する人も増えた。
「幸せはお金で買えない」
「成功したからといって幸せになれるとは限らない」
こうした論調が高まりつつあるのは、ある意味嫉妬心を慰めるためでもあるのではないだろうか。
もちろんお金があるから幸せになれるというわけではないし、稼ぐことが人生の喜びというわけでもない。私もこれらの格言が嘘だとも思わない。
けれども時にこれらの格言は嫉妬心を隠すために囁かれることもあるのだとも思っている。
この記事では私が考える幸せとお金の関係について書く。
お金で買える幸せもある

私もお金を稼ぐことがそのまま幸せに直結するとは思わない。せっかくお金を稼いでも家庭や人間関係が崩壊してしまったり、健康を害してしまったとしたらそれは幸せな状態とは言えない。
しかしお金があれば解決できる問題もこの世にはたくさん存在する。それは決して「自分の利益のためにお金で人の心を操作する」という意味ではない。
お金があれば救える命もあれば、お金があれば叶えられる夢もある。
お金がないために諦めならなければならないことも多い。
その現実を無視して「幸せはお金で買えない」と言ってしまうのは、逆に危険ではないだろうか。
闇雲に「幸せはお金で買えない」と言ってしまうのは、自分とは異なるライフスタイルを送っている人に対する嫉妬していることの表れかもしれない。
個人的な印象では、他人の仕事や価値観を全く無視した上でお金と幸せの関係を説いてくる人間ほど、実は稼ぐこと・お金に対するコンプレックスが強い。
真の清貧と真のお金持ちは互いに尊重し合える

「本物のお金持ちは無闇に自慢したりしない」
お金持ちが派手にお金を使うのを目の当たりにした時にそう批判する人もいる。この言葉は半分は本当であり、半分は嘘だ。
まず、本気で自分の価値観に自信がある人は他人の価値観にいちいち口出ししないとはよく言われている。だから自分がお金持ちであることに自信がある人はそれを他人に無闇に自慢して相手の価値観を馬鹿にするようなことはしない。
一方でこの「本物のお金持ちは……」という批判が生まれる時、そう言っている側も逆にお金持ちの価値観を批判していることもある。つまりこのセリフを言っている人は言っている人で自分の価値観に自信がないのだ。
もっと言えばお金持ちを前にしたときに、相手よりもお金を持っていないことへの劣等感に耐えられない。
だからいちいちお金持ちのお金の使い方や価値観に口出しせずにいられない。
真の清貧と真のお金持ちは、一見真逆のライフスタイルをおくっていても互いに尊重し合えることになる。相手の収入やお金の使い方など表面的なところに囚われることなく、深いところの価値観で通じ合うことが可能だ。
実際私は、年収100万円そこらの人と高級車を乗り回している人が本当の意味で仲良く語りあっているのを見たことがある。
高級車に乗り海外旅行に行く幸せもある

「幸せはお金で買えない」と語る人が多い中で、同時に価値観の多様性も重視されるようになった。
「世の中にはいろんな価値観の人がいる」
「いろんな価値観があっていい」
現在では多くの人がそう思っている。
ならば高級車に乗ることに喜びを見出す価値観があってもいいし、海外旅行で世界中を飛び回ることに幸せを感じる価値観があってもいいはずだ。
ミニマリストなどのライフスタイルをもてはやす一方で高級車での喜びは醜いものとして扱う世の中に、価値観の多様性など全く感じられない。
自分が本当に高級車や海外リゾートに価値を感じるのであれば、それを乗り回すライフスタイルを目指してもいい。
自分が本当に求めるものの価格を知る

高級車には相応の値段がつけられており、中古の軽自動車にもやはり相応の値段がつけられている。どちらを選ぶのが正解というわけではない。自分の価値観にあったものを選ぶことが自分を幸せにしてくれる。
幸せになるためにはお金を稼ぐことに囚われず、同時にお金と幸せの関係を理解する必要がある。訳もわからないまま稼ごうと躍起になるのと、訳もわからないままお金を稼ぐことに対して否定的になるのとでは最終的な結果は同じであり、幸せにはなれない。
高級車を手に入れることに価値を感じているのであれば、胸を張ってそのための努力をすればいい。変に世間の論調に流されて自分の価値観を押し殺すのは危険だ。
ちなみに私は過去に仕事で高級車のオーナーが集まるイベントにスタッフとして行ったことがある。そのパーティー会場には独特なコミュニティが存在していた。恐らくそのコミュニティ内ではコミュニティ内でしか流れない情報や価値観が共有されている。
そうした情報や価値観を共有するために高級車を所有する人もいるのではないだろうか。
まとめ
「幸せはお金で買えない」
同じセリフでも貧乏人が言うのとお金持ちが言うのとでは全く意味が違うのではないだろうか。そして私は貧乏人が語るこのセリフが嫌いで嫌いで仕方がない。気持ち悪いとすら思っている。
このセリフはお金を持っていない自分の劣等感を慰めてくれることもある。だからこそ注意が必要なセリフだ。