
テレワークで仕事をすることによって、
「プライベートと仕事とで意識の切り替えができない」
「だからついつい長時間労働をしてしまう」
といった人も増えている。もちろん会社や周囲の人に原因がある場合もあるが、自分自身のライフスタイルを見直すことでテレワークでの苦痛を和らげることができる可能性もある。工夫をすることで生活にメリハリをつけ、快適な働き方を見つけられるかもしれない。
この記事ではテレワークで苦痛を感じている人が、苦痛を和らげるための方法を紹介する。
趣味を見つける

オフィスを行き来していた時から特に自宅で楽しめるような趣味がないという人は、テレワークが導入されることによって生活にメリハリがつかなくなってしまいやすい。趣味を楽しんでいる時間は仕事から肉体的にも精神的にも離れられる。
スマホやパソコンを使った趣味を楽しんでいる人でも、自宅で趣味にある程度集中することで就業時間外の連絡は無視することだってできる。
問題は特に意思もなく、
「とりあえず時間をつぶすためにスマホやパソコンをいじっている」
「とりあえず時間をつぶすためにテレビを見る」
という人だ。こういう人は本人にも「暇つぶしとしてやっているだけ」という意識があるため、就業時間外であっても仕事の連絡が来たら嫌々でも作業にとりかかってしまう。結果として長時間労働になるだけでなく「いつでも連絡がつく都合のいい人」になってしまうこともある。
YouTubeを見るのが好きだから見ている。SNSを見るのが好きだから見ている。テレビを見るのが好きだから見ている。
など、就業時間外であれば自分の意思でスマホ、パソコン、テレビを見ている人であれば問題ない。単なる暇つぶしとして見ている人と、自分の意思で楽しんでいる人は傍目には区別がつきにくいから厄介だ。テレワークで働いている時はスマホ、パソコン、テレビを見ている時の自分がどちらなのかを一度考えてみよう。
就業時間外であるにもかかわらず、そして周囲の人間に問題がないのにもかかわらず「気づきませんでした」が言えないのは、もしかしたら仕事以外の時間の過ごし方に「自分は意思があってこれをやっているわけではない」という負い目があるのかもしれない。
趣味はある意味仕事から自分を守るための砦になる。就業時間外であればスマホやパソコンから離れて趣味を楽しんでいる間に仕事の連絡に気づかなかったとしても「気づきませんでした」と言いやすくなることもある。
家族とコミュニケーションを取るようにしてみる

積極的に家族とコミュニケーションを取るようにすることで、テレワーク期間中でも自分の場所を確保しやすくなる。
先日発表されたサラリーマン川柳の中にはテレワークなどコロナ禍の中での働き方の変化を表すものが多数入選していた。その中には「家に居場所がない」といったニュアンスを含んでいるものも少なくなかった。
「家に居場所がない」という問題は家族とのコミュニケーション不足が原因になっているのかもしれない。積極的にコミュニケーションを取るようにすることで、自宅で快適に仕事ができるようになる。
この場合のコミュニケーションとは、「ただ返事をする」といったことではない。ただ返事をするだけならばAIもどきのおもちゃやネット上のbotツールでもできる。会話だけでなく表情や仕草を通して相手が何を考えているのかを読み取り、理解すること。そして自分の思いを伝えることがコミュニケーションだ。
もちろん相手の気持ちを100%読み取るということは誰にもできない。しかし自分の気持ちをきちんと読み取り理解しようという姿勢を示してくれる人に対して人は心を開く。正確に読み取っているかどうかが重要なのではなく、読み取ろう・理解しようという姿勢が重要なのだ。
逆に一見話を聞いているように見えても勝手な決めつけや偏見で話を進められると、人は心を閉ざしてしまう。
テレワーク中は家族とこうしたコミュニケーションを取るように意識しよう。
仕事をいている人の「家に居場所がない」という感覚は、本人にとっても家族にとってもよくないことが多い。そうした気持ちを持て余してしまうと、うつ病などのリスクを高めるだけでなくDVに走ってしまう可能性もある。
こまめにリアルな場で家族以外の人と会う

例え家族との関係がよかったとしても、毎日家族と「しか」会わないというのも精神的な負担になることがある。コロナ禍のため直接人と会うことがはばかられるかもしれないが、可能な範囲で構わないのでこまめにリアルな場で家族以外の人と会う機会を設けるようにしよう
ほんのわずかな時間であっても外の人と会って会話をする時間があるだけで気持ちがかなりほぐれる。特に今は誰もが気がつかないうちに緊張状態におかれているので、人とあって何気ない話をするだけでも気持ちがかなりほぐれるのを実感できるだろう。
「カレーは好きだけど毎日カレーだと飽きる」
似たようなことが人間関係でも頻繁に起こる。適度に刺激を受けるためにも、時々はリアルな場で人と会うようにしよう。
散歩をする

家に引きこもりがちになると運動不足にもなりやすい。気分も鬱屈としてしまう。テレワーク中はこまめに運動をするようにしよう。
屋内でできる筋トレなどももちろんおすすめだ。しかし在宅フリーランス歴5年の私としては、1日に1度は屋外に出て散歩をすることをおすすめしたい。軽く近所を散歩するだけでかなりのストレス発散効果がえられる。
それこそ「有酸素運動をしよう」という意思がなくてもいい。5分くらいスマホやパソコンから離れて手ぶらで歩くだけで十分だ。それだけでも気持ちがかなりすっきりするのを実感できるだろう。
まとめ
初めて自宅で仕事をする人はテレワークになかなか慣れず、苦痛に感じることも多いかもしれない。しかしコロナ禍は自分自身のライフスタイルを見直し、工夫するチャンスでもある。本当の自分はどんな価値観なのかを改めて考えながらテレワークに取り組むようにしてみよう。